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「牧野邦夫--写実の神髄--展」

2013.05.20 2013

練馬区立美術館に「牧野邦夫展」に行ってまいりました。
1960年代〜に活躍した写実派の洋画家ですが、あまり知られていなかったのを
山下裕二センセイが未亡人の千穂さんに約束して
6年かがりで準備された展覧会だそうです。

ここ最近私がいたく惹かれている現代日本写実絵画とは趣は異なり
牧野氏が師と仰いだレンブラント的な艶めく闇の中に、
もっと幻想的に、もっと自由に、
閉塞的ではない純粋な執拗さで描かれる人物、静物、不思議なモノたち。

人面や妖怪みたいなものもたくさん登場するのだけれど
あまり悪魔的ではなく、優しい感じがします。

自画像が多いからといって、単純にナルシストと思うなかれ。
一日12時間描くことを亡くなるまで続けた画家の
勤勉な、絵に対する生真面目さの表れだと私は思います。
真面目だからといっておもしろくないわけではありません。
もちろんその逆。

写実を極めた絵って、観ていると
画家の目が捕らえようとしたものを感じたり考えたりして
ずっしりと重く苦しくなるのだけど(それが好きだったりする)
牧野さんの絵は、愉しくもあり切なくもあり。
けっこう食い入るように観てしまいます。
土曜日で混んでたのだけど、そういうふうに観ている人たちが多かった(笑)。

絵のお好きな人はぜひご覧になってほしい展覧会です。

「牧野邦夫--写実の神髄--展」

6月2日(日)まで
午前10時〜18時
西武池袋線 中村橋駅より徒歩3分

http://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/index.html