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“美しい、だけじゃない”

2019.03.21 2019

こありちゃんの友だちの友だちの
そのまた友だちの5才の妹の友だちの
永遠の5才のチコちゃんに、ぼーっと生きてんじゃねえよ
と確実に言われそうな、
或いは土深く眠りすぎて春に気づかないマヌケな幼虫ちゃんのような
そんなここ最近のわたくしでありますが、
桜の開花宣言もされたことだしそろそろ覚醒しなければですわねぇ。
殿の、本物の殿様のような桜紀行晴れ晴れ日記も始まったことですし。
 
ぱちっ。
 
暖かな陽気に誘われて今日は三菱第一美術館に行ってまいりました。
(はっ、祝日だった……)
 
「ラファエル前派の軌跡展」。
なんだかんだ言っても、
私は結局ほんとうにほんとうにロセッティが好きなんです遙か昔から。
“美しい、だけじゃない ”と言われても、
絵に込められた意味も寓意も象徴も暗示も、
画家がどんな人物でどんな人生だったかとか
そんなことはもうどうでもいい、ただただ見つめていたい
目の前にある美しい一枚を
心にしみて涙があふれたり、胸が締め付けられたり
無駄に感情を揺さぶられたり
ということも必要なく。
 
いつぞやの「唯美主義展」では
“美しければそれでいい”と謳っていたけど
 
“美しい、だけじゃない”も
“美しければそれでいい”も
私にとっては同じことだわ。
 
ああ神様、私はただこの絵を
ずっとずっと見ていたいだけなんです。
 
思えば子供の頃から
たくさんの絵を、ぼーっと見てきたなぁ〜。
その中で幾つもの“一枚の絵”と出会ってきたわけで。
それは人生における喜びの、ひとつひとつでありましょうぞ。
だから人々は、
美術館に足を運ぶのです。
 
 
さて今年のアリプロ、
芸術変態論の僕の苦悩は続きつつも、
夢々しく開花する?ことでしょう。
ロセッティの描く魔性のヴィーナスの元に咲く
スイガズラの花の如く!

「ラファエル前派の軌跡展」三菱第一美術館  6月9日まで