秘密のお茶会のとき
「お父さんが育てた薔薇です」
と言って小さな花束をくださったお嬢さんがいました。
手のひらに包めそうなくらいでも
とてもとてもいい匂いがして、
小さな頃に棲んでいた家の庭に咲いた薔薇を思い出したりしました。
庭から切った薔薇を、よく生けてあったなあと。
彼女たちはデッサンのモデルだったわけだけど。


「お父さん」が大切に育てた薔薇を
庭園とはほど遠い、私のベランダに飾ったら
可愛い五人の王女さまたちのようでした。