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超絶技巧!明治工芸の粋

2014.05.11 2014

京都の清水三年坂美術館でもなかなかお目にかかれなかったアノ竹の子が見られる!
というだけでも超ワクワクですが、
こんなにたくさんの超絶技巧かつ粋を極めたものが一堂に会しているなんて、
現代の私たちにとってはまたとないほどの至福の展覧会でしょう。
清水三年坂美術館の館長村田理如氏のコレクション一挙公開!です。
(いやもう、この方がいちばん凄い、ということなんですけど)
かつての日本、しかもそんなに昔ではない明治の日本の技が作り出した工芸。
安藤緑山の牙彫(げちょう)、並河靖之・濤河惣助の七宝、正阿弥勝義の金工、
漆工、自在(自由自在に動く鉄製の置物)、薩摩(焼)、木彫、刀装具、そして刺繍絵画。

蛙のあんよ可愛い!とか鉄太郎って××××すぎ!とか、触りたい動かしたい、
これが欲しいなどなどと、日本美術に造詣の深いT嬢とひとつひとつを凝視するように、
私なんかもうアホみたいに「凄い凄い!」と呟きながら見て回りました。
刺繍絵画なんて初めて見る驚愕。七宝の美しさたるや。
あんな色合いやあんな花々や蝶々を歌にできたら…なんて思ったりしながらも、
この中でどれがいちばん好きと聞かれたら鮟鱇と答える己のエゲつなさ…。

その後は別館で行われた
山下裕二センセイと日曜美術館司会でおなじみの井浦新さんのトークイベントを拝聴。
楽しく為になるお話でした。井浦さんはほんとに美術がお好きな方なのですねー!
そのあと、どうも緑山の八百屋さんコーナーを見逃したらしいということに気づいた私たちは
また会場に戻り、牙彫の、動いているふうにしか見えないカタツムリや
剥きたくなってしまう蜜柑などを見て、そしてまたセンセイ方と一緒にたけのこを見て、
なんかもうまた京都の筍が食べたいなあと思ったわりには肉などを食して帰宅しました。

センセイがおっしゃるには、まだ研究の進んでいない明治工芸の研究者が
若い人から現れてほしい、また特に若いクリエーターや美術を志す人に
日本にこんな凄いものをあったということを見て知って欲しいということです。

私たちは西洋美術の素晴らしさはよく知っているけれど、
昔の日本画を見たり、こんな凄い技ものを見たりすると、
日本てほんと素晴らしいんだよなあ、と思えるというもの。
私は、そんなところからも日本人としての誇りを感じていってほしいと思います。

そういえば勇侠会会員の青年とも遭遇しました。みなさんもぜひ出掛けてみてください。
この美術館自体も素晴らしいし、そして日本橋ってほんと良いところ!

 「特別展 超絶技巧!明治工芸の粋」
 三井記念美術館
 7月13日まで(月曜休館)。その後は地方も巡回。
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html