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人形たちの記憶

2019.03.30 2019

あまりに寒い花冷えの週末。
私は茅場町や人形町、日本橋辺りで
お江戸なプチ桜見。
 
日本橋の三井記念美術館では「三井家のおひなさま展」開催中、
平田郷陽の人形もあるというので行ってきました。
やんごとなきお雛様方も小さなお道具もそれはそれは高貴で豪華で
まさに職人の技と粋(すい)。
本当に贅沢なものがきちんと作られ、愛された時代が
残してくれた日本の宝ものですね。
緋毛氈の段々飾りを見ていると、ご令嬢たちの幸多き少女期が
まるで自分のことだったかのように思えてきて
雅びな気分に浸りまくりでしたわよ。人も少なくて。
 
私も熊本時代は段々飾りのお雛様だったのだけれど
その時よりも今の方がずっとひなまつりが好きみたい(笑)
母は自分の、おひなさまの日は夢のように嬉しかった、と
今でも夢のように思い出す、と申しております。
 
 

雛人形の次の間には平田郷陽の市松人形が、
こんなにたくさん!?というほど並び並び並び(30体ほど)、
着せ替えのお着物もたーくさん!
人形好きにはたまらない空間でありました。
平田郷陽は生人形で知られていますが、
若い頃に“一流人形店の注文により市松人形の製作”。
お嬢さまが開けた箱には、こんなお人形が入っていたのですね。
 
30体の中には、亡き友が幼き頃の面影の子もいて、
人形たちと共に、遠い昔を想い出す、
春の一日でありました。
 
西洋のアンチックドールもそれはそれはときめきますけれど
やはり日本人としての最初の愛おしい記憶は、
おひなさまな人形たちなのです。
昭和の女の子、だった私たちにとってはね。
 


人形好きには絶対オススメ、「三井家のおひなさま展」は4月7日まで。
(先週サントリー美術館の「河鍋暁斎展」での館内ポスターで知ったので
ぎりぎりでした。。)