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金平糖のおもひで

2019.10.06 2019

ボンボニエールといえば私は、
ボンボンやドラジェを入れる西洋の陶器のお菓子入れではなく、
小さなまるい銀製の器を思い浮かべる。
菊の御紋の。
 
小さな頃、それを両手に乗せられ「ボンボニエール」という
可愛い呪文のような言葉を授かった。
ぼんぼにえーるぼんぼにえーる。
鈍色がかった銀の重み。
蓋を開けると、小さな小さなお星様がぎっしり。
白とピンクと水色と黄色。
舌の上でゆっくり溶けてゆく、甘い砂糖菓子。
金平糖。
こんぺいとうこんぺいとう。
これもちょっぴり魔法のような言葉。
 
 
金平糖を大人になってから食べた記憶は、
もう10年以上前、
銀座の画廊で、金子國義さんのリトグラフを購入した際、
金子先生自らがお茶を入れてくださって、
そして、
「これね、金平糖。京都のね。美味しいのよ」
と小さなお皿を出してくださった。
私は緊張しつつも、金平糖のあまりの美味しさに内心とても驚き、
いえ、目を見張って「美味しい」と呟いたのだったか。
 
 
それから何年も経って、
京都に移住した友人の八代嘉美さんが、
大阪のコンサートの時に金平糖をくださって
それがまたも美味しくて、
あ、これがあの時の金平糖だわと思い。
 
 
そして今年、お菓子の曲にMaison de Bonbonnièreのタイトルを付け、
人づてに銀座に京都の金平糖のお店ができたと聞き
さっそく行ってみた。
「緑寿庵清水」。
かの銀のボンボニエールもあった!!
可愛い小さな陶器のボンボニエールは
もう売り切れで来年の予約だとか。
 
今回は秋限定の焼き栗の金平糖を。
 
八代さんにいただいたときの
薔薇のボンボニエールに入れて、時々食べています。
 
なくなったらまた買いに行こう。
次は、子供の頃みたいに、いろんな色の金平糖を。