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弥生催花雨

2021.03.13 2021

今日は一日中、沈丁花の匂いを含ませた雨が降りしきっています。
レースのカーテンを閉めた、窓越しの雨音はそのまま春の足音のよう。
あなたはいかがお過ごしでしょう。
私は冬眠から目覚め損ねた虫のように狭い世界でもぞもぞ蠢いています。
と思いきや! 殿からなんとも美しい曲(複数)が届いて、
新世界へ飛び出す準備をば。
 
ありふれているけど「新世界」って言葉好きなのよねー。
昔そのタイトルの長編をおもしろく読んだ気がする。
あれは「新世界より」だったか。
そして大阪の新世界も好きやねんけど笑。
「新世界」ってアルバムタイトルよくない?ってかつて思った。一度だけ笑。
 
このところいろいろ本を読んだり映画を観たり。
最近の日本映画の、文豪を描いたものが案の定
お金持ち学校の学芸会みたいにばかばかしくて三分の一も観てられんかったので、
口直しに私のいちばーーん好きな日本映画「ツィゴイネルワイゼン」を
数年ぶりに観て、昔より胸に染み入るというか、
いいものはどんな年代で観ても新たな何かを与えるものなんだなあと。
ALI PROJECTもそうありたいものです、本当に。
 
鈴木清順の「夢二」は、公開当時はあのなんとなくイカれた感じが
気に触ったものだったけど、今はすんなり来るというか(笑)。
 
そしてなにより、昭和の女優は美しい。
もっと前の女優は、さらに美しい。男優は深みがあるのぉ。
 
「ツィゴイネルワイゼン」の中で生きていたい、
と思うくらいなのだけど、
ついこの間、人生ベスト1くらい好きかも!!という映画に出会って、
いまはもうそっちの世界で生きたいと切なく夢見ているの。
1968年のパリ。私の本当の青春はそこにあったはずなのよ!
(映画が作られたのは2004年)
なんかもう、わけもなく懐かしくてたまらなくて観ながら延々泣いていた。
その画面以外のすべてのものが喪失するほど入り込むって、
なかなかないと思うわ。
でも何の映画か教えなーい。
 
その代わり、
他におすすめの泣く映画と、超絶おもしろい映画をお教えするわね。
つづく。