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Christian Dior Designer of Dream

2023.05.25 2023

「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」展、ようやく行くことができました。
ジョン・ガリアーノのドレスも展示されているので、いちばんはそれが見たいが為。
ガリアーノの頃のDiorのショーは本当に本当に素敵だったんだもの!!
GallianoのDiorとAlexander McQueenのショーは美しさに胸が詰まって涙が出てしまったものだわ。
美しくて泣けるって、そういえば最近ない気がするけど…、苦しくて甘美で幸福な瞬間よね。
いつぞや、あまりの美しさに放心して腰が抜けたことがあったのだけど、
それは坂東玉三郎の舞台を観たときでした。
美輪明宏の黒蜥蜴を観たときも終演後放心したなあ。
あ、駱駝艦公演もだ。
……そういう刺激が足りない今日この頃、ってことね、余談ですけど。

で、ディオール展はたくさんの美しい服たちを見ることができてうっとりでした。
上質で上品で、女性が女性である幸せを、花束を抱きしめるように感じることができる美しい洋服たち。
モノトーンの「ニュールック」から始まり、
「ディオールと日本」では日本にインスピレーションを受けたドレスが並び、歴代のデザイナーのコーナーも。
上等お針子たちが縫い上げるオートクチュール。
あ、TailorTもそうよね!(「TailorTの変身譚」、曲も歌詞も実は大大好き)
「ディオールのアトリエ」ではそんなお針子が縫った真っ白なコットン生地のトワル(試作)が真っ白な空間に並べられてああ素敵。
そして色別に飾られた洋服と靴やバック、帽子やアクセサリーから香水、
イヴォンヌちゃんに着せたいようなお人形サイズのドレス。ああ可愛いぃ。
現代美術館は広くて大きくて吹き抜けがあり、そこには天井まで埋めつくされたイブニングドレス!
星がキラキラ投影されて舞踏会の夜みたい!
などなど、
ひとりで心の中でたくさん感嘆しつづけていました。


服飾デザイナーが想像し創造していくハイファッションの世界。
上質なもの、人間の心が生み出して作り上げていくもの。
「本物の高級品には本物の素材と本物の職人技が欠かせない」(クリスチャン・ディオール)
高級なもの、本物、を知る、(見る、観る、聞く、聴く、触る、着る、纏う、買う。ゆえに作る、創造する)って本当に大切なことだと思う。
AIに任せては行けないものって絶対に、永遠にある、とまだ思うことのできる、
人間的幸福を受け取れる、最後の時代かもしれない私たち。
世界はまだまだ真に美しいものに満ちている!と思って生きましょうよ。

と、ディオールのクチュリエ世界に触れてそう思いました。

つい先日、メキシコで行われた「The Dior Cruise 2024 Show」、
フリーダ・カーロがテーマなのだけど、蝶モチーフが色々出てきてロマンチックで延々見惚れてしまったわ。
最後には赤い糸で様々な刺繍された白のコットンドレスのモデルたちが。あ、これはトワルね!
赤い刺繍は心臓を象り、そして「Viva La Vida」や「HOPE」の文字が。
美しき人生。希望。
そう、ファッションは美しき人生と希望のためにあるのだ!


あ、でも私の世界一のハイファッションは、カイエたまの作る私の衣装なの。
カイエさんもパリのオートクチュール時代は、たくさんのトワルを作ったぁ、
と言ってました。