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「致死量の友だち」田辺青蛙

2022.04.15 2022

以前ここにも書いたのだけど、田辺青蛙さんの「人魚の石」がとても好きで、
新しい小説を読みたいなあと思い続けていたところ、
この、うっとり恍惚として期待が蕩け出すような美しい題名を目にした時は
居ても立っても居られなくなったのでありました。
青蛙さんはずっと怪談ものの本を出されたり、様々な怪談イベントや、
最近では円城塔さんと「ぐだぐだ夫婦・読書話」というイベントもやられたり。
(東京でもやってくださいませ!)

発売前にサイン本をお送りいただき、Kindle待ちだったけれど我慢できずに眼鏡かけて拝読。
Kindleではない「本」を読破したのは久しぶり。
面白くって一気に読んでしまいました!

田辺青蛙さんのこれまでのホラーな小説とは違い、ミステリ仕立ての女子学生ものです。
クラスでの陰湿な虐めに耐えかねた主人公ひじりが、遺書を握りしめて乗ったバスの中で、
初めて言葉を交わした美しいクラスメート夕実。別れ際に渡された紙片には綺麗な文字で
“一緒にあいつらに復讐しましょう ”。
ふたりの秘密の交流が始まり、ひじりは毒に魅せられて知識豊富な夕実に憧れを抱く。
立てる計画は猛毒によるクラスメイト皆殺し。
学校では惨めでも(虐めがリアルで酷い…)、一緒にいる時のひじりと夕実は、
毒草園で寄り添う学生服の美しい少女たち、という図が浮かびます。猛毒黒百合小説?♡
どんな毒殺になるのか結末にワクワクしながならも驚愕のラスト✖️✖️✖️!
タイトルがじわりときます。

ここにお出でになるあなたなら絶対お好きだと思うので
ぜひ読んでみてくださいな。お薦めいたします。
いろんな毒が出てきて勉強にもなりますことよ。

ああ、作家って凄いな。
青蛙さん、凄いです。

ぜひ続編を!


「致死量の友だち」田辺青蛙/二見書房 ¥1,980