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みずうみ色の かの瞳
「今宵、碧い森深く」を歌うとたまにだけど
「ポーの一族」のメリーベルの舞踏会の場面を思い出します。
まだヴァンパネラとなる前、
アート男爵家の養女として美しく成長していたメリーベルの
初恋の相手は、透ける金色の長い髪をした美青年ユーシス。
名も知らぬまま、舞踏会でメヌエットを一曲だけ踊るのです。
というシチュエーション、「今宵、碧い森深く」と似てる(笑)
でもメヌエットではなくワルツ、相手はユーシスとはまったく異なる、
碧の瞳で冷たく微笑する、魔の精、ですけどね。
そう、「今宵、碧い森深く」は小さな頃からの私の
“ 舞踏会”への憧れを詰めまくった歌詞。
誰よりも豪華なドレス、衣擦れの音、広げるファン(扇)、薔薇の香り。
まるでしろみちゃんのような?(いえ、ちょっと現代風すぎ)
そして、少女(13歳のメリーベルより少し年上かな)が迷い込むのは
月光が差し込む神秘の森の夜、
青く輝く湖の畔、そこに立っているのは
湖と同じ瞳の美しい、とてつもなく美しい青年。
少女の憧れの夢は
今この時へと結ばれる
初恋のときめきと初めて味わう苦しみ。
それだけを知って死んだ少女達は、
きっとほんとうに天使になる、のでしょうね……。
ああ究極のロマンシズム!
……というわけで、ポーの一族、「メリーベルと銀のバラ」の
1ページをここに掲げます。
そして、もうひとつは、
昔からハロウィンが来ると思い出すレイ・ブラッドベリの短編「集会」。
私の本棚は衣裳ケースの奥で開かずの間と化していて
古い本は探しだせなくて、
しかも収録されている「10月はたそがれの国」はkindle化されてない!ので、
萩尾望都の「ウは宇宙船のウ」から。
万聖節の宵祭り(ハロウィン)に、少年ティモシーの家にはたくさんの
“仲間”たちが集まります。みな不思議な能力を持った者ばかり。
妹のシシーは特別に能力が高いのに、ティモシーは何の力もなくて、
闇も血も怖い、毒茸もお酒も口にできない、“仲間”の中では変わり者扱い。
その晩はつかの間、シシーに力を分け与えてもらったけれど……。
孤独なティモシーが見つめる、一族の華やかで賑やかなお祭り。
そう、その祝宴場面は、
まだ日本で今みたいな馬鹿騒ぎはなく、ハロウィンて?な頃、
ゴスな人たちが(私も)黒い格好をして
あちこちで密かにパーティーしていたあの雰囲気
いつもブラッドベリみたい、と思っていたものです。
まぁもう飽きたけど。
それに渋谷の馬鹿騒ぎ、ほんと止めてほしい。
コスプレする日なんかじゃないんですけど。
ほんと恥ずかしい。
そしてバカを増長させるマスコミ。
まあ、そんな世間とは隔てて生きている私は
明日はくろみちゃんを呼んで、
カボチャのお菓子でも食べようかな
と思っているところです。