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薔薇の記憶

2021.05.16 2021

遠くからかすかに雨の匂いがする煙ったような曇りの日、
ベランダの鉢植え緑の中で薔薇のお茶を飲んでいると
ポーの村に居るような心地。
 
私はほとんど珈琲派で、紅茶を飲むのはたまに、なんだけど
すっかりお気に入りのTEA PONDのフレンドハーブティーや
マリアージュやラデュレの仏蘭西紅茶は
いくつも手元に置いていて、気が向くと淹れてみる。
食器を選んで並べて、午後三時のお茶的写真を撮るのも楽しい。
 
で、薔薇の紅茶は、
TEA PONDのアラベスクローズが特に薔薇薔薇な感じで好きで
でも新しいフラミンゴローズも、とてもおいしい。
ポットに溜まった薔薇の花びらが、
薄ピンクの蝶々や妖精の死骸みたいで、
詩心がときめく。
 
で、“ポーの村”とは
モト様の「ポーの一族」の、エドガーとメリーベルが
養父母と老ハンナと暮らした薔薇の咲き乱れる村で
人間には桃源郷のように、見つけることはできなくて
…………、と
内容を書こうとしてたら
ついkindle開いて読んでしまった!
「ポーの村」から「グレンスミスの日記」に続く流れはもう最高!
 
わかる人にだけ伝わればいいや。(笑)
 
ある意味、
私は永遠にポーの村から抜け出せないのですぅー。
 
先日FBの「フランスの小さな村が大好き!」グループで
薔薇の村と呼ばれるGerberoy(ジェルブロア)という地の写真を見て
行ってみたいぃぃと思ったばかり。
最近お気に入りのセンスの良い花屋さんでは
斑な薔薇のセンテッドジュエルがよく売られていて
小さいのにものすごく香りが強くて、
目を閉じると令嬢薔薇図鑑の中に入り込んだかのよう。
 
 
私の記憶の、最初の印象的薔薇は、
熊本の植物園(お城の近く?)で、
父母が写生をしているときに弟と散策しながらかいだ薔薇。
背が高い株だったからか、自分が小さかったからか
青空とセットで思い出す。
そして子どもの頃に住んだ目白の家の庭にあった
アーチいっぱいの大輪の黄色い薔薇!
 
ポーの村の赤薔薇のような禍々しさはまったくない
幸せな薔薇ですけどね。
 
 秘めやかに交配しましょう
 あなたは生まれ変わる 新種の薔薇に
 愛惜しく種を撒きましょう
 どんな時代でも わたしたちが咲き添う限り
 世界は美しい
       〜「令嬢薔薇図鑑」