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香水の器たち

2021.02.04 2021

香水壜に棲むのは香りの妖精たち。
文学少女の成れの果ての私も
いまだに彼女たちを言葉の中に
閉じ込めたいと願いつづけています。
 
「香水の器 高砂コレクション展」は
そんな儚き夢も叶えられるような気になる
香水壜の博覧会!
(私は何故か「瓶」ではなく「壜」が使いたくなるのです)
 
古代オリエントの香油壺にはじまり、近代ヨーロッパの生活を華やかに彩った陶磁器やガラスで作られた様々な香水瓶など異国の香りの器。あるいは香道の道具類にみられる贅を極めた漆工芸品、また陶磁器、金工品による香炉や香合といった我が国の伝統的な香りの器。/展覧会概要より
 
香油壺、というのもロマンだわねぇ。
 
ここでも何度もお伝えしたことのある服部まゆみ「その闇と光」
の帯で、皆川博子さんが“ 薔薇の香油のような”と評していて
その言葉だけで気が遠くなり、
そして読み終えてもまさに初めての薔薇の香をかぐような恍惚、
ふたりの女流小説家に跪いたものですが、
ああ私も薔薇の香油のような、
いえ薔薇の香油壺の欠片ほどでもよいので
賛美されるやうなものが書きたひ(歌いたひ)と
いまだに思ふのでございます。。
 
香油って
あら? 子供の頃、口にしてなかったかしら。
……と思って調べたら、違った、カンユだった肝油。(笑)
 
話逸れましたが、
はるかなる古代の女性達の面影を追い、
たぁくさん並べられた様々な香水壜に貴婦人の日々を垣間見、
日本の香道のお道具でいにしえの貴族に想いを馳せ、
うっとり過ごす時間。
(香りを「聞く」と表現する雅の日本いと奥ゆかし)
そこにない香りも、想像するだけで感じられ、時空をも超えていく!
 
汐留美術館ってこじんまりとしているけれどいつも濃厚な展覧会。
常設のルオー展示部屋にはルドンもあるのでぜひご覧に。
 
途中から撮影可だったので、
私が欲しい香水壜ベスト3を掲げておきませう。
 
まだまだ開催しているので、早春のお出掛けにぜひ。
私このあたり好きなのよね。銀座からも歩けるし。
コンラッドや、竹芝辺りでランチなどいかが?
お天気の良き日には浜離宮庭園散策も。
こんなときならでこそ、
おひとりやおふたりで、優雅な一日をお過ごしあそばせ。
 
 
香りの器 高砂コレクション展
バナソニック汐留美術館にて 3月21日まで