BLOG

灰桜

2020.04.05 2020

土曜の夜の、BSプレミアムで京都の桜生中継、
醍醐寺の枝垂れ桜や、月の懸かった桜舞う参道、
ひととき京都を歩いているかのような気分になれました。
出演者の方々みな品があって、よい番組でしたことよ。
 
京都桜見は何度か行ったことはあるけれど、
最近はともかくさらに人が多くて
まったく行く気にならなかった・・。
あんな雑多な人混み、ほんとうに厭だわ。
今年はコロナのせいとはいえ押し寄せる騒がしい観光客もなく、
桜たちも太閤秀吉のお花見のときと同じように
静かな地上を見下ろしていたことでしょう。
 
花弁が風にハラハラ散る参道の映像を見て
私には「灰桜」という歌詞があったなあと思い出した。
この桜唄はまさに醍醐寺の桜参道のような、
人一人いない桜並木の道が舞台。(桜並木続く土手の道でもよい)
恋に身を窶して死んばかりの薄幸の若い女が、
幽霊になって恋しい男を桜の元に誘う
という唄です。
あなおそろしや。
これぞ幽玄の世界。
私の中の桜のイメージは、未来永劫これですわね。
もしまた「桜」をテーマにすることがあったら
もう信じられないくらい恐ろしい美しい
絢爛なのに寂寥感で苦しくてたまらなくなるような
そんな歌詞を書くわ。
殿はいやがるでしょうけど(笑)

(その時はこの曲もリアレンジして収録したい)
 
 千切って幾千 
  わが心を
   はらはら舞わせる
    桜の花びら